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葛飾区指定有形民俗文化財 高砂天祖神社保有「雨乞図絵馬額」修復しました

第126代天皇御即位により、元号が「令和」と改められ、新しい時の幕を開けた。これを記念して、天祖神社保有の葛飾区指定有形民俗文化財(昭和55年3月7日指定)「板絵着色雨乞図絵馬額」の修理を行うことになり、葛飾区教育委員会の指導のもと、楽浪(ささなみ)文化財修理所所長 高橋利明氏によって修理作業が進められた。

修復前の絵馬額には、全体の汚れや木質の風化、虫食い穴が目立つ、額面板の経年劣化で収縮して下ずれしたために上部に隙間ができており、額縁の四隅の組み付け部分にもゆがみが生じるなどの損傷が確認された。今回の修復で、これらの損傷個所はすべて完全に修理を施した。
絵馬の筆者は風俗画の 英 一珠(はなぶさいっしゅ)。

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画面中央上の黒雲の中から出現した龍神、左下には社殿の前に神主、脇に僧侶、少し離れて山伏風の人物が雨乞いの祈祷をしている姿があり、鳥居から神社まで雨乞い行事に参加している大勢の褌姿の村人が落ち着いた色調で描かれている。

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画面左下には「天保十己亥年十月吉日」の年紀と村名が列記されており、絵馬額が江戸時代後期の天保10年(1839)10月に奉納されたことがわかる。

天保年間(1830~44)は日本の各地で天候不順のため凶作が続き、東西葛西領二十三箇村も干ばつで、村人が神社に雨乞いの祈願をしたものと思われる。

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画面右上に「奉納 雨乞図」と大書され、すぐ下には絵図の経緯が漢文で記されているが、奥戸村出身の衆議院議員 関根 柳介 氏により、明治42年(1909)6月に墨書きされたものである。

さらに左上には昭和37年(1962)高砂在住の 前田 龍三 画伯により復原補筆されたことが明記されている。

絵馬の画面板はカツラ材の一枚板、額縁はケヤキ材、額幅は264.4㎝、額縦は80.0㎝である。

このたび、令和元年10月の例祭にあわせて修復をおえた。
今後神社本殿内にて展示予定

天祖神社説明書より

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境内には高さ約14mの火の見櫓が立っている、設置された時期は昭和初期と推定されているが、今や葛飾区内に残る唯一の建造物として貴重な存在である。

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